2017年11月2日木曜日

2017衆議院議員選挙整理

今回の衆議院選挙、野党がテンヤワンヤでどうも実数が把握しにくいですな。
定数が10減った中で、自民党が数を維持したわけで、自民党の勝利というのは間違いないというのは確かなんですが、野党の勢力変遷がどうも、ね。
そんなわけで、少し整理をば。
 
まずは前回の2014年の衆議院選挙のおさらい。
選挙後の主な党の議席配分は以下の通り。
 ・自民党  小選挙区:223(追加公認1) 比例代表:68 計291議席
 ・民主党  小選挙区:38 比例代表:35       計73議席
 ・維新の党 小選挙区:11 比例代表:30       計41議席
 ・公明党  小選挙区:9 比例代表:26       計35議席
 ・共産党  小選挙区:1 比例代表:20       計21議席
これが解散時には下のようになってました。
 ・自民党 284議席(議長含まず)
 ・民進党 88議席(副議長含まず)
 ・公明党 35議席
 ・共産党 21議席
 ・日本維新の会 15議席
 ・希望の党 11議席
自民党の減少は、不祥事離党組や欠員3議席などですね。
比例や比例復活ながら希望の党へ移った若狭議員や福田内閣府副大臣もいます。
民進党は、民主党と維新の党の合併で議員は増えていますが、維新の党自体は維新の会系とみんなの党を割って出た結の党系で分裂しており、大まかに見れば、みんなの党や日本維新の会の流れを汲む第3局の内、大半が民主党との合併を選び、一部が再び設立された日本維新の会に残ったというところでしょうか。
そして、解散の3日前に設立した希望の党が11議席。
これは、民進党離党組や前述の自民党離党組と無所属の野間議員です。
 
そして、公示日にはこうなっていました。
 ・自民党      前議席284
 ・希望の党(設立組)  同 11議席
 ・希望の党(民進組)  同 45議席
 ・立憲民主党     同 15議席
 ・無所属(民進組)   同 18議席
 ・公明党       同 35議席
 ・共産党      同 21議席
 ・日本維新の会   同 14議席
民進党全体で合流を目指した前原代表でしたが、小池さんはそれを受け入れず、希望の党公認での出馬は前職45人にとどまりました。
ただ、排除とまで言い切った割に、政策については党として共有できておらず、立候補者によってまちまちの解釈だったように思われます。
この辺り、民進党のグダグダ部分を希望の党が引き取った印象すらありますね。
また、希望の党から弾かれた、または合流を拒否した人は立憲民主党と無所属に分かれて立候補しました。
この結果、政策が解かり易くなった立憲民主党、そして個人の政治信条で闘うことになった無所属の前議員は、イメージ的にはかなりプラスになったのではないでしょうか。
細かいところですが、日本維新の会の小沢鋭仁議員が希望の党へと移籍しています。
 
選挙後の勢力は以下の通り。
 ・自民党    284議席
 ・立憲民主党  55議席
 ・希望の党   50議席
 ・公明党    29議席
 ・共産党    12議席
 ・日本維新の会 11議席
冒頭のように、定数が10減ってますから、現状維持の自民党は勝利ということになりますが、前回当選で欠員となった3議席を含めると、比率で考えれば前回より上がるものの、絶対数としてやや減少ということになるでしょうか。
また、公明党を合わせた与党という意味では、順当な比率で減ったことになります。
躍進したのは立憲民主党。
民進党の左派が中心で、政策がすっきりした面が人気を集めたのでしょう。
ただ、右派左派混在の民進党を嫌って共産党に投票していたリベラル支持層が中心だったようで、共産党は大幅に得票を減らし、議席はほぼ半減となりました。
よくよく考えれば、野党共闘が話題に出てから共産党は躍進しているので、結局、野党共闘は共産党が得をしただけという気がしないでもありませんな。
追い風が逆風に転じた希望の党は、野党第2党にも届かないという厳しい結果になりました。
排除という厳しい言葉がマイナスになったと言われますが、個人的には排除を徹底しないから民進党のグダグダに巻き込まれたように思います。
ちなみに、民進党系と希望の党の気になる勝率は、
 ・立憲民主党 15/15
 ・民進党系無所属 18/21
 ・民進党系希望 26/45
 ・希望の党結党組 5/11
という内訳で、明暗がかなりはっきりと分かれました。
個人的には、自民党から離党した福田前議員、日本維新の会から離党した小沢前議員、民進からの合流組である松野前議員の落選は良かったのではないかと思っています。
小沢前議員は日本新党での初当選から、新党さきがけ、民主党、日本維新の会、希望の党と渡り歩いてきた人で、選挙区も山梨であったり近畿比例だったりと根を下ろさず、風を読むのがうまいという能力はあると思うんですが、如何せん政治的な信条が感じられない人でした。
松野前議員もしかりで、維新の党のゴタゴタは記憶に新しい。
この人も日本新党を皮切りに、新進党、民主党、維新の党、そして民主党に戻り、今回は希望の党です。
元自民の福田前議員は、政党は渡り歩いていませんが、なにしろ選挙に弱い。
常に比例下位での復活当選ですからね。
それなのに副大臣に抜擢されたのだから能力はあると評価されているんでしょうけど、今回は職を投げ出して風に飛びついた印象しかありません。
繰り返しますが、この風頼み、風見鶏の方々が落選したのは、政治の成熟を考える上では良かったように思います。
今回は、野党分裂の選挙となりましたが、今後、立憲民主党が期待に応えられる政策を出せるのか、政策があいまいな希望の党が第2の民進党になってしまうのか、その辺りを注目していきたいですな。


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