2023年9月7日木曜日

どうする数正

どうする・・・というか、もう出奔しちゃったんですがね、数正さん。
石川数正の出奔理由は、これといった定説がありません。
どうする家康では、秀吉との戦を思い止まらせるために、身を犠牲にして秀吉方へ出奔したことになりました。
ドラマとしては、酒井忠次と共に当時の徳川家臣団の双璧を成す重鎮であった数正らしい選択ですね。
黙して語らず。
この重厚さを出すための、松重さんという配役なんでしょうね。
で、現実の数正はどうだったんでしょうか。
個人的には、島津家の伊集院忠棟のパターンが近いんじゃないかなと思っています。
伊集院忠棟も、島津家のトップクラスの重臣で、秀吉との戦いでは和睦を主張し、後には対秀吉政権との交渉役となりました。
交渉をする、ということは、秀吉幕下の様々な武将にも誼を通じていかなければならないわけで、その過程で、秀吉の勢力の大きさや人物の多様さ、そして最も大事な勢いというものを実感として持つようになります。
そういうものを持つ武将と持たない武将では、やはり判断が違ってきて当たり前なんですが、交渉役で接点があるが故に、篭絡や買収という疑念を持たれてしまい、冷静に意見を聞いてもらえないという事が増えたんではないでしょうか。
また、なぜこんな自明の事が解らないんだ、という忸怩たる思いもあったかもしれません。
現代でも、会社の経営でそういうことがしばしばありますよね。
先が見えている役員が、浮いてしまうことが。
で、忠棟は斬られた。
数正は出奔しましたが、そのまま家中に留まっていれば、先鋭化した主戦派に斬られていたかもしれません。
そんなところではないでしょうか。
創業期から、ずっと同じ方向を向いて頑張ってきた家臣達ですが、大きくなって人が多くなれば、色んな要素や価値観が入ってきます。
少年漫画と違って、みんなが同じ方向を向き続けるというのは、なかなか難しいものですね。
 

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