2020年10月28日水曜日

学習のS字曲線

S字曲線というものがあります。
S字形や、ギリシャ文字のシグマに似ていることからシグモイドとも呼ばれますね。
最初は緩やかに立ち上がり、ある閾値を超えると指数関数的に増えて、やがて上限に近付くにつれて再び緩やかになる、という曲線です。
 
 
こんなやつ。
経済の分野では、主に投資と売上の相関として説明されたりしますね。
最初は投資額と比較して売り上げは低調だが、やがて品質のブラッシュアップと認知度の上昇によって売上が増え、次第に需要の上限の近付くにつれて上昇は緩やかになる、という現象です。
製造でも、累計の投入労働時間に対する単位製造数として、同様の現象が見られますな。
累計の労働時間が少ない内は単位時間の製造数が少ないが、やがて熟練度が上昇して製造数が増え、次第に上限に達する、という感じで。
最近、それとは少し違う曲線になるんですが、ある学習で似たような傾向を体験しました。
予備知識が全く無いというわけでもない分野の試験問題などでは、最初は直感で選んだ回答が正解という場合が多いんですが、やがて半端に知識が増えたことが足を引っ張って引っ掛けの選択肢に悉く引っ掛かる。
ま・さ・に、爆釣!
いや、釣られすぎでしょ!!といいながら自己採点するのが当たり前になるぐらい(^^;)
グラフにするとこんな感じ。
 
 
素直に横ばいか上昇になってくれたらいいのに、明らかに最初より得点率が急激に下がってしまう累計勉強時間帯があるんですよね。
なんなんやろな~
ただでさえスルスルと得点率が上がってくれないのに、勉強して下がるってのは精神的に凹みますわ(^^;)
 

2020年10月21日水曜日

輸出管理法

日本のメディアではあまり報じられていませんが、先日、中国で輸出管理法が成立しました。
 
中国で輸出管理法が成立、貨物、技術、サービスなどの輸出管理を強化
https://www.jetro.go.jp/biznews/2020/10/0a5d09edf83d1d8d.html
 
簡単に言うと、アメリカの制裁法や輸出規制、輸出管理改革法といった規制群の中国版ですね。
どたらにも再輸出や第三国に関する規定があり、二国間の輸出入の規制に留まりません。
米中対立が進む中、アメリカの規制に対抗する為に同様の規制を作るというのは解りやすい方策ですが、サプライチェーンがグローバル化した中でこういう規制がどう働くかと言うと、当然ながら深いレベルでの分断が進むということになります。
二国間の規制に留まらないわけですから、部品の輸出さえままならない。
部品が手に入らないとなれば、コストを掛けてでも自作するしかないわけです。
それが繰り返されると、昔の米ソのように、技術体系の違う製品が出来上がって来るわけですね。
ただ、ソ連は一方の雄であっただけに技術を持っていましたが、現在の中国はアメリカ由来の技術をふんだんに使用した製品を作っています。
この環境から、それを捨てて自作を進めるとなると、相当技術的時間を戻される上に、現在の位置に戻るのすら相当時間が掛かるでしょうね。
戻った所で、アメリカを中心とする陣営は先に行ってしまっている。
これは、かなり厳しいですな。
例えばですが、ファーウェイがTSMCから半導体の供給を受けられなくなりました。
中国はこれに対し、自国で調達する為にSMICを育てようとしていますが、そのSMICも規制対象となり、製造装置すら調達できていないままのようです。
TSMCが5nmのプロセスで量産開始している状況であるにも関わらず、SMICはまだ14nmプロセスという状態。
その14nmも、TSMCに比べれば歩留まりが悪く、ファーウェイは結局、自社の45nmプロセスで生産する方向へ、というニュースもありました。
このままプロセス更改が進まなければ、中国の製品は技術的に遅れ、次第に競争力を失っていくことになります。
大まかですが、14nmで2015年頃、45nmなら2008年頃の技術ですからね。
どれだけ技術が巻き戻されてしまうか、半導体だけに非常に明確ですな。
さて、アメリカへの対抗上、同じような仕組みを入れた中国ですが、このまま技術の分断が進むのを甘受して自国開発を進めるのか?
甘受するなら、世界の工場と呼ばれた立場は急速に失われていくと思いますが、その状況で自国民の職と食を維持できるのか?
それとも何らかの手打ちをするのか?
大きな選択になりますね。
 

2020年10月15日木曜日

日本学術会議

ここしばらく、日本学術会議の任命拒否問題に関する報道が多いですね。
自分も、2017年に「軍事的安全保障研究に関する声明」というのが新聞に掲載されていた為に名前は知っていましたが、どのような活動をしているかまでは知りませんでした。
色々と論はあっていいし、そうやって組織は改めてられて行くもんだと思いますが、政府側と会議側のどちらが正しいか、という問題では無さそうです。
強いて言えば、長年の歪が噴出したな、という感じですかね。
まず、国民のひとりとして思うのは、特別とは言え公務員であるわけだし、選挙と言う国民の選択を受けた結果の先に成立している内閣と総理大臣が任命拒否できないというシステムは、建付け的におかしいと感じますな。
憲法15条に、公務員の選定及び罷免は国民の権利と規定されていますし、日本学術会議は内閣府の組織のひとつなんですから。
選挙の結果で誕生した内閣と総理大臣すらアンタッチャブルとなると、非常に気味の悪い組織という事になります。
かつての統帥権がそうであったように、どこからも掣肘されないというのは、よろしくない結果を生むことが多いですしね。
実際、昭和の頃の学術会議は選挙制でしたが、自浄作用は失われていたようで、色々とお問題があったことがいくつかの本に残っています。
少なくとも、任命の問題で掣肘されないことを望むなら、他の先進国のように自費運営に舵を切るべきだとは思いますね。
次に、初期の頃に学問の自由を侵害などという主張がありましたが、これには非常に違和感を感じますな。
学問をやめろなんて誰も言ってないわけで、大学でも在野でも学問はできるわけです。
しかも、学術会議内で研究をするわけでもない。
学術会議に推薦されるほどの学者が口にするには、あまりにも幼稚な論ですね。
しかも、どちらかと言えば、会議側が出した声明が陰に陽に圧力となっているようで、この問題が報道されて以降、実際の現場の方や研究者の方がブログ等で実態を書かれています。
現在の研究は、軍と民の境界線があいまいになってきており、インターネットやGPSなど、軍の研究から民に下りてきたものも多い。
そういう世情の中、イデオロギー的な主張を声明に入れたりするのは、ちょっと時代に合わなくなってきていると思いますね。
個人的には、任命拒否された学者の方を見てもイデオロギー色が濃すぎるので、現状のまま続くにしても民営化するにしても、任命に関してはフィギュアスケートの採点のような形式にしてもらいたいなと思っています。
フィギュアスケートの採点は、最高評価と最低評価は除外されて中道的な評価がされますが、学術会議の任命も、イデオロギー的に左右の極端な人を除外して、中道的な学者を任命して頂きたいですね。
学者の方それぞれに、当然ながら思想はあって良いのですが、妙な政治力を振りかざして学術会議の役割の本質を曲げるような人はご遠慮頂きたい、というのが率直な感想ですな。
 

2020年10月9日金曜日

フィンセン文書

日本のオールドメディアではあまり大きく報道されませんでしたが、少し前にフィンセン文書というものが公開されました。
ま、ざっと言えば、16ヶ月の分析を経て公開された、マネーロンダリングに関する報告書等を集めた文書です。
ただ、アメリカが、各国のマネーロンダリングを監視する網を厳しくしてきたというここ数年の流れの中での事なので、その漏洩が何故起こったのか、偶然なのか故意なのか、ちょっと興味深いですね。
何らかのメッセージ性があるのかな?なんて思ってしまいます。
それは取りあえず置くとして、その中身ですが、不審な取引が総額にして2兆ドルというから、なかなか凄まじい規模ですな。
とは言っても、毎年の世界のマネーロンダリングの規模が2.4兆ドルなどと言われていますから、フィンセン文書の19年間で2兆ドルというのは、1%程度でしかないわけです。
アングラマネーが金融当局に補足されずどれだけ蠢いているのか、よく解りますね。
さて、不審な取引の栄えある第1位は?
ドイツ銀行
やっぱりお前か。
他の銀行がbillion単位の中、1.3trillionドルですから、他の銀行とは正に桁違い。
近年、マネーロンダリングや中国との関係、巨額のデリバティブなど、話題に事欠かない銀行で、コンプラにゆるゆるのイメージがありましたが、その通りでしたね。
現在は業績も良くなく、リストラの真っ最中なので、先行きも不安ですな。
ドイツ銀行に続くのは、JPモルガンチェース、バンクオブアメリカ、シティバンク、スタンダードチャータードという巨大銀行。
意外だったのは、ダンスケ銀行が入っていなかったことですな。
マネロン御用達みたいなイメージがあったんですが、事実は違うのか、それとも隠匿のノウハウがあるのか、ランキングには入って来ませんでした。
少し気になるのが、日本のゆうちょ銀行。
元々、誰でもどんな団体でも口座を開設できるという緩さは有名でしたが、海外送金も本人確認が甘かったようです。
今は本人確認もだいぶ厳しくなっているみたいですし、法人の海外送金サービスも終了していますから、大々的に悪用されることは減っているんでしょうけど、ベースが巨大なだけにしっかりやって欲しいものですね。
 
 

2020年10月4日日曜日

阿君丸

今日の麒麟がくるは、演出とは言え、戦国時代の怖さが描かれた回でしたね。
こういう部分も描いてこそ、大河ドラマですな。
さて、朝倉義景は子にあまり恵まれず、ひとりは早世し、ひとりは滅亡の際に処断されて直系はいないということは知っていましたが、暗殺説があるというのは初めて知りました。
国会図書館のデジタルコレクションで朝倉始末記の書籍を確認すると、巻ノ四に阿君丸の暗殺に絡む話が載っています。
真偽は不明ですけども、単なる早世が多い時代にわざわざそのような記述をされるということは、火の無い所に煙は立たぬというやつで、政治的な背景による毒殺だったという可能性も十分考えられますね。
ただ、ドラマのように将軍側近の三淵藤英が計を巡らせたとなると、これは非常に陰謀論的要素の濃い話になります。
将軍は越前を辞して尾張に向かいたい、一族や重臣は主君の上洛を実利の少ない政治道楽のようなものと考えて止めたい。
ここに利害が一致する。
が、嫡子を暗殺しても義景がどう動くか読めず、また、露見した際は、兵力を持たない義昭の拘束は容易で、更にそのことを喧伝されると、義景の保護を失うばかりか他の大名も義昭を避けるようになるでしょう。
史実の状況を考えれば、策謀としてリスクが大き過ぎるように思いますね。
でも、描き方としては面白い。
三淵の奸計という題名を見ても、まさかそういう奸計だとは思いませんでした。
なかなか、見せる回でした(^^)